食用油について考える。

炒め物、焼き物など、毎日の調理に欠かせない食用油であるが、遺伝子組み換え原料が使われているかという話や、アトピー性皮膚炎の原因になっているという話を聞いていろいろ調べている。

油にはその原料によって、コーン油、綿実油、パーム油、紅花油、大豆油、ナタネ油(キャノーラ油含む)、オリーブ油、しそ油、エゴマ油などの種類がある。原産国は、ナタネはカナダ、オーストラリア、大豆はアメリカ、ブラジル、綿実はアメリカ、オーストラリア、コーンはアメリカが多い。なんとなくGMOの匂いがする作物と産地の組み合わせである。

原料表記はGM不分別と書かれているものが多いが、不分別とは遺伝子組み換えのものと組み換えじゃないものを分別してませんよという意味だから、入っている可能性がある。入っていないのなら入っていないと書くのが合理的な判断だから、入っていてもおかしくない。油は表示義務が無い(味噌や醤油は表示義務有)から注意が必要だ。書かれてないからといって安心できない。

遺伝子組み換え(GMO)作物のリスクについてはここでは書かないが可能な限り避けたいもののひとつだ。

また、オメガ6系リノール酸を摂りすぎている人は、喘息や湿疹・感染症になりやすく、免疫反応がいつも過敏になりやすいという。アトピー性皮膚炎の人は今一度確認してみるのがいい。亜麻仁油、エゴマ油、シソ油などのオメガ3系 α-リノレン酸の多い油を積極的に使いたい。ただしリノレン酸は酸化しやすく、保存性が悪いという特徴がある。オメガ9系のオレイン酸はオリーブオイルは酸化しにくく熱に強い。

遺伝的にガンになりやすいラットに5種類の油を与え自然にガンになる率を比較し 研究では、亜麻仁油(α-リノレン酸の含有率が高い)で2匹、魚油で6匹、ラード(飽和脂肪酸)で32匹、コーン油(リノール酸含有率が高い)で60匹、紅花油(リノール酸含有率が最も高い)で66匹という結果になったといいます。( 1988年:ライナス・ポーリング科学医学研究所)

マーガリンのトランス脂肪酸はよく話題になっているが、量産されている大手メーカーの食用油もその製造過程においてトランス脂肪酸が含まれる。

ここで簡単にまとめておこう

・オメガ3系とオメガ6系の必須脂肪酸のバランスが重要
・リノール酸を取り過ぎるとガンのリスクが高まる。特に紅花油は高濃度。
・現代の精製油にはα-リノレン酸がほとんど含まれない
・マーガリンには有害なトランス脂肪酸が含まれる。食用油もその製法から含まれている。
・原料によっては遺伝子組み換え作物が使われている

台所の油を確認したら「日清 ヘルシーE」だった。これはナタネ油だ。

日清のホームページによれば、「日清オイリオが、食用油の原材料として使用している大豆、なたね、とうもろこし、綿実は、遺伝子組換え不分別です。※不分別というのは、非遺伝子組換えのものと遺伝子組換えのものを、流通過程で分けていないという意味です。」

「遺伝子組換え原材料を使用していない油はありますか?」という問いに対して、「日清オイリオで取り扱っている食用油で、遺伝子組換え原材料を使用していない油は、べに花油、こめ油、ごま油、オリーブオイル、グレープシードオイル、パーム油、ひまわり油です。」

日清のホームページでナタネ油の脂肪酸組成を見ると、オレイン酸が約6割、リノール酸が約2割、リノレン酸が約1割となっている。他の油種と比べてリノール酸は多い方だ。オレイン酸はオリーブ油に多く含まれるオメガ9系の脂肪酸だ。ナタネ油でオレイン酸が多いのはキャノーラ品種の特徴だ。

健康を維持するためには植物油が肝になりそうだ。よりよい油に変えていこう。

参考
Amazon.co.jp: 本当は危ない植物油 その毒性と環境ホルモン作用 (角川oneテーマ21): 奥山 治美: 本

Amazon.co.jp: 油を断てばアトピーはここまで治る―どんなに重い症状でも家庭で簡単に治せる!: 永田 良隆: 本

「脂質栄養と性差」に関するオープン・リサーチ・センター[脂質栄養学の新方向とトピックス] – 金城オープンリサーチセンター

ドクター牧瀬のアトピー性皮膚炎完全治療ガイド

リノール酸でアトピー 市民のための環境学ガイド
週刊朝日の2002年8月9日号の記事

虎の穴をもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

タイトルとURLをコピーしました