ウィーンの光と影——ベルヴェデーレの美景と、閉ざされた軍事史の扉

ベルヴェデーレ宮殿:庭園の無料開放エリアが最高だった話

まずはウィーンの象徴、ベルヴェデーレ宮殿へ。

今回は中(美術館)には入らず、無料の庭園を中心に散策。これ、実は賢い選択かもしれません。広大なバロック様式の庭園は、どこを切り取っても絵葉書のような美しさ。

​上宮から下宮へと続く緩やかな斜面を歩くと、ウィーンの街並みが一望できます。クリムトの「接吻」は有名ですが、この庭園を吹き抜ける風を感じるだけでも「あぁ、ウィーンに来たんだな」という実感が湧いてきます。

【要注意】軍事史博物館(HGM)でのまさかの展開


次に向かったのは、歴史ファンなら外せない「ウィーン軍事史博物館(HGM)」。ベルヴェデーレから徒歩圏内なのでセットで回るのが定番ですが……。

​「……閉まってる?!」

​残念ながら閉館時間を過ぎており、中に入ることはできませんでした。(入館は16時30分まで)

ハプスブルク帝国の終焉を象徴する、あの「サラエボ事件」の血染めの軍服や車を拝むことは叶わず。やはり海外の博物館の閉館時間はシビアです(だいたい17:00には閉まってしまいます)。

​教訓: ウィーンの主要施設は閉まるのが早い!特にお目当ての展示がある場合は、真っ先にここを訪れるべきでした。

ただ、その庭には戦闘機が展示してあり、調べてみると以下のスペックの貴重なものでした。

これは Saab J 29 Tunnan です。写真の説明板にも書かれていますが、正式には Saab J-29F “Tunnan”。スウェーデンの航空機メーカー Saab が開発した戦闘機です。

どんな飛行機か
初飛行:1948年
西ヨーロッパで 初めて量産されたジェット戦闘機
愛称 「Tunnan(トゥンナン)」=スウェーデン語で「樽」
→ 胴体が太いのでそう呼ばれたそうです。ほんとずんぐりむっくりですね。

主なスペック(看板の内容)
翼幅:11 m
高さ:3.75 m
重量:約7.7トン
最高速度:約 1114 km/h
航続距離:約 2000 km
実用上昇限度:約 16,500 m

軍事史的にこの機体はかなり重要で、後退翼(swept wing)ジェット戦闘機。

当時は MiG-15 や F-86 セイバーと同時代
スウェーデン機ですが、写真の機体は オーストリア空軍(Bundesheer) の塗装ですね。

説明板にもある通り、1961〜1964年に30機を導入 しています。

この機体の特徴はかなり分かりやすくて
・太い胴体(本当に樽みたい)
・丸い吸気口
・小さめの後退翼
なので、航空機好きにはすぐ 「トゥンナンだ」 と分かる機体です。

そしてもう一機。これは Saab 35 Draken です。

さっきの Saab J 29 Tunnan の後継世代にあたる戦闘機で、同じくスウェーデンの Saab が開発しました。

この機体はかなり特徴的です。
・ダブルデルタ翼(double-delta wing)
・胴体中央の 大きな単発エンジン排気口
・尾翼が高い位置にある
・全体が三角形っぽいシルエット

写真の後ろから見た形がまさに デルタ翼の三角形になっています。

初飛行:1955年
最高速度:マッハ2クラス(約2,100km/h)
役割:迎撃戦闘機
冷戦期、ソ連の爆撃機を迎撃するために作られた機体です。

実はこの機体、オーストリアではかなり有名で、1980年代〜2005年までオーストリア空軍が運用、その後は Eurofighter Typhoon に交代。なので、ウィーンの軍事史博物館の屋外展示に置かれているわけです。

Drakenは当時かなり先進的で
・超音速迎撃機
・独特なデルタ翼設計
・短距離離陸性能
という特徴があり、北欧の航空技術の高さを示した機体です。

ウィーン軍事史博物館の近くで、しばしカフェタイム。

「Klein Steiermark(クライン・シュタイアーマルク)」 という名前のレストラン/ビアガーデンです。

ウィーンはこういう公園の中のレストラン文化が結構あるみたいですね。

ウィーンとマドリードの間はノープランでしたが、先ほどリスボン行きのフライトを取りました。これで次の行き先が確定。風の向くまま、気の向くままの世界一周です。

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