アベノミクス政策により、物価は上昇しているが賃金は上昇していない。消費税増税が物価上昇の後押しをした。それで労働者の賃金が上がれば、当初のシナリオ通りだが、実はそうなっていないことがいろいろな指標に表れている。ひとことでいうとスタグフレーション突入しているということだ。スタグフレーションとは、インフレでもなくデフレでもなく、強いて言えば「悪いインフレと悪いデフレの組み合わせ」といったところか。
黒田日銀総裁をはじめマスコミも、アベノミクスはうまくいっているという雰囲気を醸し出しているから不気味だ。政府は失敗を認めようとしない。国民が失敗だったと思えるような状況になったときは、何をしても手遅れの状況であろう。
しかも消費税増税したのに税収が増えていないという意味がわからない状況の中で、さらに2%の増税を検討しているというから笑えない。年内に決定することになっているが、政府はメンツのために増税を決定するのは間違いない。いまここで延期をすることは、アベノミクス失敗を認めることであり、全世界に弱気を見せることであり、経済への影響も大きいと判断するからだ。黒田日銀総裁も増税しないリスクを強調しているが、国債を買い続けなければならない立場としてはそうなのだろう。