持続的な競争優位を実現するために企業がすべきことを説明するのに、ポーターの考えが代表的。経営学ではSCPパラダイムと呼ばれている。
SはStructure(構造)、CはConduct(遂行)、PはPerformance(業績)の頭文字で、すべてを一言で表すとポジショニング。
そして競争戦略は競争しない戦略だ。競合度が低く、新規参入が難しく、価格競争が起きにくい業界を選ぶことが望ましいとされる。
つまりユニークなポジションを取ることに尽きる。
では、ポジショニングが正しければ持続的な競争優位は保てるのだろうか?
ある研究者が全米の6772社の投資収益率などの時系列データから、10年以上続けて他のライバルよりも高い業績を残している企業を、持続的な競争優位を持っているとみなして分析してわかったことは、
・持続的な競争優位を実現する企業は存在するがその数はすべてのうちの2~5%に過ぎない
・近年、企業が競争優位を実現できる期間は短くなってきている
・いったん競争優位を失ってからふたたび競争優位を獲得する企業の数は増えている
このことは実際にビジネスの現場でも感じることができる。
ユニークな事業で成功しても、競合企業が雨後筍のように発生したり、競争激化で利益率が低下するなど、すぐにハイパーコンペティションな状況になるのはよくある。
しかしそのような状況であっても事業から撤退するのではなく、より競争行動を仕掛ける企業のほうが市場シェアを獲得するという結果も示されている。
ひとつの成功にあぐらをかかず、ユニークなポジションを模索しつつ、積極的な攻めの姿勢も続けること。企業を存続させるためには必要なことだ。